2014年3月18日火曜日

映画に乾杯!


 映画を観終わった後、時々思いっきり褒め言葉のつもりで
「ストーリーがなくて良かったよ!」なんて言われることがある。
実はけっこうショックを受けている。

こちらとしては例えば最初のシーンで驚いてもらって、
ここで笑って、途中ちょっと退屈して、それからあそこではジンときて、
考える時間があって、深く胸に染み入る…。
なんて一応考えてつくっている。

こちらの意図など関係なく印象に残るシーンも人それぞれ。
でもだからこそ映画はおもしろいし可能性に満ちあふれている。
映画を観るひとり一人がスクリーンから好きなことを感じとる。

 このところ自主上映に呼んでいただいて各地を回る。
みなさんの反応が楽しみだ。
上映の場所や条件はさまざま。
20人のカフェから2000人の大ホールまで、
同じ映画を違う空間、違う人たちと私有し合う。
大爆笑に涙をすする音、感情をむき出しにした上映会もあれば、
水を打ったようにシーンとしたままの上映会もある。
「みんなどんな風に感じているんだろう?」できるならば、
ひとり一人の心の中を覗き込んでみたい衝動に駆られる。

 上映後、一番多い質問は「あのひまわりにはどういう意味があるんですか…」
ずるいかもしれないが「それは秘密です」と答えるようにしている。
もちろん私なりの思いはある。適当につくっているわけではない。
でも言うときっとおもしろくない。
映画を観終わった後に私の知らないところで一杯やりながら
“ひまわり”をめぐっていろんな会話が生まれたとしたら映画冥利につきる。


 毎回思うが私は自分の映画を愛している。
だから映画を観るときは一番の観客になりたい。
思いっきり笑って泣いて…。
そしてエンドロールが終わったら惜しみない拍手をおくるようにしている。
私自身もう何十回と観ているが毎回感じ方が違う。

実におもしろい。 

映画に乾杯!



吉祥寺 カフェ麻よしやす